発酵調味料を使った東南アジアの味わいを
取り込んだカレーであなたをトリコに!
アジアンカレー実験室です。
ご報告が遅くなりましたが、
先週日曜に高円寺での間借りカレー店の
デビューをすることができました。
場所が友達のシェアキッチンというのも
手伝ってか、身内の方をメインに大勢の
お客様で賑わって終えることができました。
個人的に驚いたお客様たち
来店された方で驚いた方がお二人。
ひとりは、前日にTwitterでうっかりクソリプ
してしまった方がたまたまカレー沼な方で、
なんと茨城から足を運んでいただきました。
この茨城の方はイベント等でピザを振る舞う
ピザの達人で、スパイス入りの生地を使った
カレーピザも作られるのだとか。
ウチのカレーを2種召し上がられたあとで、
是非コラボしたい!とのお声を頂きました。
絶対にやりましょう!
もうひとりは、私が押し付けたカレーを
ぶちょぱ美味い
と評価して下さったガリレオの上関店長!!
三軒茶屋から予告なしにしれっと登場w
毎回ジップロックに入れたカレーだけを
押し付けていたので、今回やっと出来立てを
提供することができて本当に嬉しかった^^
そして、ここでもぶちょぱ美味いを
いただくことができました!
ありがとうございます!!
10月に提供したカレーたち
で、今回はいったいどんなカレーを
出したのかといいますと…
詳しくは前回の記事にも書きましたが、
3種類をご用意しました。
◆アジアンほぐしチキンカレー
いわゆる無水チキンと呼ばれるカレーです。
最近は無水チキン*1を出す店が少しずつ増えて
いますが、国産親鶏*2を使う店はウチだけ。
ヨーグルトに1週間漬けた親鶏もも肉を
コンフィのように油で煮込み、玉ねぎ、
トマト、スパイス類を加えて仕上げました。
ヨーグルトマリネにより、煮込みが短くても
親鶏もも肉はちゃんと解れてくれるのです。
ブイヨンや鶏がらスープの素に頼らずとも、
親鶏ってだけで尋常じゃない旨味が出るし、
漬け込むことで肉自体が柔らかくなります。
親鶏は固くて食べづらい と思っていた方は
ウチのカレーを食べて1000%驚きます。
手羽元でチェッターヒンを作ったときに、
煮込みすぎて肉が骨から外れてしまった際に
「これでもよくね?」
と気づいたのがキッカケってのは秘密ね。笑
◆ミャンマー式納豆カレー
ミャンマーではペーボウッヒン*3と呼ばれる、
納豆がメイン具材のカレーです。
実はミャンマーは発酵文化の国なので、
味噌もあれば納豆もあるのです。
使用する納豆は青森県産の大粒納豆ですが
ミャンマー人シェフの教えを軸に作ってます。
スパイスは必要最小限のチューニングですが
それを差し引いても豆の甘みと納豆の香味が
残る「スパイスに負けない納豆」なので
本当に私のお気に入りの納豆なのです。
◆ミャンマー式牛すじカレー
ミャンマーにもビーフカレー*4がありますが
牛すじもカレーあるのかは正直分かりません。笑
なので、独自アレンジのカレーとなります。
牛すじを下茹でして臭みをとって柔らかくして、
多めの油でしっかり炒めて甘みを引き出した
玉葱とトマトに炒め合わせて煮込みました。
言うても牛肉としてのインパクトが強いため
青唐辛子を多めに入れてバランスをとったつもり
…でしたが、ちょっと辛さが強かったかも。
◆ジントゥ
ミャンマー式しょうがサラダ*5です。
ウチではもはや定番となった副菜です。
新橋で間借りしていたときはラペットゥ*6を
出していたんですが、ウチで出すカレー自体が
コク強で濃厚なので、ラペットゥだとコクが
増すだけで食べ疲れるという難点がありました。
でも、ただ生野菜を添えるだけじゃ面白くないし、
そこそこ保存もきくようなひと手間を加えたい。
ミャンマー料理店を食べ歩き&調査して
このしょうがサラダに行き着きました。
新橋間借り時代のコンテンツもヒントのひとつとなりました。
ワッポンイェージー*7を出したときに、
ミャンマー縛りのルールを自ら破って
岩下の新生姜を添えたことがありました。
この岩下の新生姜*8が予想以上にカレーにドンピシャで、
カレーにしょうがってアリなんだ、と認識したのがこのとき。
しょうがを使ったミャンマーのアトゥ(=サラダ)を
検索して、ようやく見つけたのがこのジントゥだったわけです。
ジントゥのレシピはいずれ公開するとして、
漬け込んだしょうがに合わせる生野菜や豆は毎回変えています。
ジントゥはカレーの箸休めとしてはもちろんのこと、
単体で酒のアテにもなる超スグレモノ!!
高円寺営業のときは多めにつくって単品提供もします。
11月の間借り営業は?
ということで、11月の営業のご案内です。
①アジアンカレー実験室 高円寺場所
11月6日 (日) 12:00 ~ 15:00
場所:東京都中野区大和町3-6-3
②アジアンカレー実験室 大森場所
11月26日 (土) 17:00 ~ 20:00
場所:ケララの風モーニング
東京都大田区山王3-1-10
①と②ではシステムとメニューが若干異なります。
①は基本的に相盛り不可、ご飯持ち込み推奨
店内にお酒もご用意してます(500円~) ※持ち込み不可
予約優先制で、事前取り置き可能
②は相盛り可能、ご飯大盛も可能
お酒、ソフドリは持ち込み自由です。
予約制で、1時間ごとの入れ替えとなります。
※大森では南インド料理界のレジェンドに会える可能性大
メニューは後日アップします!
皆様食べにいらしてください!
商品リンク
ウチの間借りで使っている食材や調味料です。
他所様と違ってウチはオープンソースなので、
ご自宅で作られても再現性の高いカレーを
提供しております。
◆ピーナッツ油
ウチのカレーのベースです。
買出しに行ってもほぼ見かけないレアアイテム。
◆ナムプラー
東南アジア料理の必需品です。
臭いを嫌う人は非加熱のときに嗅いでるからなのが大半。
加熱すると臭みが消えてしっかりとした旨味が残ります。
◆親鶏もも肉
親鶏をメインに使う数少ないカレー店がウチです。
だいたい100g130円が相場なので、ここはかなり安いです。
絶対に買うべき!!
◆青唐辛子
これも東南アジア料理に欠かせないアイテム。
青苦さはカレーにどうしても必要なんです。
*1:無水チキン:油煮にした鶏肉をベースに野菜の水分だけで煮込んだほろほろにほぐれた鶏肉が特徴のチキンカレー。水を入れずに煮込むので肉と野菜の濃厚な旨味が炸裂します。油煮の時間が長いこと以外は割と簡単に作れます
*2:国産親鶏:廃鶏とも呼ばれる採卵期を終えた雌鶏のこと。一般的に食べられている若鶏と違って基本的に市場に出回るのは稀。体を動かしまくって年を取った鶏なので、肉自体に強烈な旨味があります。通常はペットフードや鶏ガラスープの素の原料にされ、あとは廃棄処分にされる存在なので、親鶏を食用として活用することはSDGsにフィットしたサステナブルで社会的に非常に有用なアクションとなっています
*3:ペーボウッヒン:ペーボウ=納豆、ヒン=スパイス入りの煮物・おかずを指し、転じて納豆カレーとなります。ミャンマーは発酵文化圏なので、味噌も納豆もある国なのです。といっても日本の大豆ではなく、ホースグラムという品種の豆を使っています。
*4:ミャンマー式ビーフカレー:ミャンマー語で「アメーターヒン」。アメーター(アメーダー)=牛肉、ヒン=スパイス入りの煮物・おかずを指し、意訳するとビーフカレーになります。ミャンマーをはじめ東南アジア諸国では牛肉は鶏肉よりもポジションが低い存在だったりします
*5:ミャンマー式生姜サラダ:ミャンマー語でジントゥ。アトゥ(ミャンマーの和え物)は総じてサラダ的ポジションの料理で、「○○トゥ」となっていたら具材と生野菜、ナムプラー、ニンニク、青唐辛子などを和えたサラダと思ってほぼ間違いありません
*6:ラペットゥ:ミャンマー特産の発酵茶葉サラダのこと。ラペソー(乳酸発酵させてオイル漬けにした茶葉)を生野菜、ナッツなどで和えたボリュームのあるサラダです
*7:ワッポンイェージー:ミャンマー式豆味噌ポークカレーのこと。ワッターヒン(ミャンマー式ポークカレー)にポンイェージー(ミャンマーの豆味噌)を入れたもので、名前が長ったらしくなるので省略して「ワッポンイェージー」と呼ぶそうです。日本の八丁味噌で煮込んだような濃厚で深みのある味噌カレーです。豚と豆味噌の相性は抜群で、ミャンマーではポンイェージーをヒンにするときはほぼ100%豚肉を使うとのことです。
*8:岩下の新生姜:栃木県が誇る、有名漬物メーカーのフラッグシップ商品。なぜかポーク系カレーに添えるとめちゃくちゃいい仕事をしてくれる超有能はお漬物。私の大好物です。ちなみに、Twitterでひとことでも「岩下の新生姜」という言葉が入っていると、エゴサの鬼・岩下社長ががいいね&RTしてくれます